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SACHIKO AYA

イラストレーター綾幸子のブログです。

2023-12

ドイツのおばあさん

黄色にひまわりのシールのAir Mailが、郵便受けに入ってました。
誰かなー、知らない人だなー、。
あっ、でもこの名字はドイツのおばあさんとおんなじだ。

20代の頃、友達とヨーロッパの旅行をしていたときに、
お世話になったドイツのおばあさんです。
だから、もうかれこれ◯◯年です。
このところずっとカードのやりとりだけになっていました。
私が語学苦手なもので、、。

ものすごくきれいな律儀な字で、
きちんと誕生日、クリスマスの日に着くように
カードをくださってました。

去年のクリスマスに、カードが来なかったから
心配で、6月がおばあさんの誕生日なので、
さすがに様子を聞いてみようと思ってたのですが、、。



デュンケンスビュールから、フッセンに行く観光バスがあると
勘違いしていた私達は、思いもよらずバスに乗って駅に行き、
フッセンに行かなくてはならなくなってしまいました。

運転手さんはドイツ語しか通じないし、
まわりにいるおばあさんグループは声をかけてくれるんだけれど、
やっぱりドイツ語で、判らなくて、、。
その時、バス停にいらして、
心細そうにしている私達に声をかけてくださったご夫婦でした。

ダンナさんは、ちょっと足が悪く、(ジャン・ギャバンに似てました)
なんか庇ってる感じも、愛が或る様子で、かわいらしかったです。

その方がいなければ、フッセン行くのは、すごく大変だったと思います。
バスから、フッセン行きの電車も案内してくださったのです。
確か、多少方向が一緒だったと思うのですが、
途中降りてくれたんじゃなかったかしら。
本当に親切なかたでした。

当時、ヘルムート・バーガーが好きだったので、
ルートヴィヒのお城に行きたかったんでした。

駅も回りを山に囲まれた超小さいローカルな駅でした。
もう名前も、、。
でももしかしたら、オリンピックが近くであった駅なのかしら、、。

駅に着いたら、ほかのおばあさんたちもみんな「こっちよー」と教えてくれて、、。
助かりました。

私達がホテルも決めてないと言ったら、
(いつも駅のインフォメーションで決めてたのです。)
すごく心配してくれて眉間にしわを寄せて、
「もし、どこも泊まれなかったら日本でなんて言うかわからないけど
Red crossに行きなさい」なんていってくれました。

電話で、ガイドブックに出てたホテルを頼んだら、すごく安心してくれてました。



おばあさんは90才で、去年の7月に亡くなったそうです。
手紙はお孫さんからでした。
最後に撮ったという写真を印刷したものが入ってました。
向こうではお葬式に配るのでしょうか。


もう一度、ドイツに行ってお会いすれば良かった。
私からの便りを喜んでくれてたと書いてありました。


明るいカードをいただいて、落ち着いていたのですが、
今、これを書いてたら、もう本当にいないんだなあと思って、
不覚にも、。


ご冥福をお祈りします。








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綾幸子

Author:綾幸子
イラストレーター。
セツモードセミナー研究科卒業後、装丁・挿画、雑誌や、広告でのイラストレーションなどを手がける。
絵本に、「パーティしよう!」「へんしんしよう!」(福音館書店)などがある。
広告の仕事に、鉄道会社ポスター、住宅不動産会社ポスター、パンフレット、百貨店でのワークショップなどがある。

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